precious one


あたしたちは、しばらくドアの方を見つめてた。

びっくりしてというか、呆れてというか。

何も言えなかった。


「…ちょっ、なにあれ!!」


しばらくして、利香が声をあげた。


「せっかく愛花が声かけてあげたのに、何よあの態度!」


利香は、爆発した怒りを吐き出すように叫ぶ。


「あんなやつらとずっと一緒とか、あたしまじ耐えらんない!」

「学校の代表なのに、なんであの子たちなんだろ…」


声を荒げる利香に対して、未矢は呟くように言った。

確かに。

あんな子たちを代表にして、学校の評判が落ちる心配はしなかったのかな。


その時。




< 54 / 61 >

この作品をシェア

pagetop