precious one


「ていうか、代表で言うならうちも同じじゃん」

「え?」


利香の言葉の意味が分からず、あたしと未矢は首を傾げた。

それを見た利香は、当たり前のように答えた。


「筒本。あんなやつ代表にするのが間違ってるでしょ」

「あー…」


納得してしまった、あたしと未矢。

確かに筒本は、ふざけることが好きで、先生の話もちゃんと聞かない。

問題児の1人だと思う。


「あーでも、渋谷もか」

「え!? 稔太は違うもん!」


稔太の名前が出て、必死に抗議するあたし。


「渋谷は、愛花と付き合い出してちょっと落ち着いたけど、筒本と同等だよ」

「ちょっ、筒本なんかと一緒にしないでよっ!」


勢いでそう言ってしまったけど、筒本に失礼なこと言っちゃったな。

でも稔太は、代表に相応しくない人間じゃないもん。


確かに、お調子者でいたずらが好きだけど。

やる時はちゃんとやる、そんな男だもん。




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