precious one
「まっ、いいけど。このあとはもう、自由なんだっけ?」
「うん。ご飯が19時からで、21時までにお風呂だって」
言ったあと、視線を向けた時計が指す時間は、15時過ぎ。
「暇だねー。どうする?」
未矢が、問いかけた。
「とりあえずあたしは、この部屋から出たい。
あいつらが帰ってきたら、嫌だもん」
あいつらとは、里世のこと。
確かにあたしも、あの3人には関わりたくない。
「じゃあ、どっかブラブラしよっか」
あたしたちは、アテもなく出歩くことにした。
通路や談話室には、暇を持て余した、他校の生徒がチラホラいた。
先生の姿もあり、進学校の生徒なんかは、勉強したりしていた。