precious one


「まっ、いいけど。このあとはもう、自由なんだっけ?」

「うん。ご飯が19時からで、21時までにお風呂だって」


言ったあと、視線を向けた時計が指す時間は、15時過ぎ。


「暇だねー。どうする?」


未矢が、問いかけた。


「とりあえずあたしは、この部屋から出たい。
あいつらが帰ってきたら、嫌だもん」


あいつらとは、里世のこと。

確かにあたしも、あの3人には関わりたくない。


「じゃあ、どっかブラブラしよっか」


あたしたちは、アテもなく出歩くことにした。

通路や談話室には、暇を持て余した、他校の生徒がチラホラいた。

先生の姿もあり、進学校の生徒なんかは、勉強したりしていた。




< 56 / 61 >

この作品をシェア

pagetop