precious one
すると、稔太は。
「だって俺たち、付き合ってるし」
「はぁぁぁー!?」
ものすごい声で叫ぶ、四人。
クラス中の視線が、こっちに飛んだ。
「声でかいっての」
「アホか稔太! でかくもなるわ!」
「そうだよ! 付き合ってるとか、聞いてないんだけど!?」
すごい剣幕の、利香と筒本。
そんな二人が、稔太は少しうざそうだった。
「だから今言ってんじゃん」
「そういう問題じゃねーよ! いつから!?」
「体育祭の日だよ」
稔太がそう言うと、利香と未矢の視線は、あたしに向いた。
「え、何?」
びっくりして、あたしは二人の顔を交互に見た。