チャリパイ12 ~資産家令嬢殺人事件~

「くそっ!……こんな事が本当にあるのか!」


今まで、幾多の殺人事件に携わってきた松田だが、密室殺人などという
こんな小説まがいの事件は初めてだった。


「じゃあ犯人は、きっと天井裏から出ていったに違いないわ!」


子豚が天井を指差して
力説するが、見たところ天井は密閉されていて開く部分はありそうに無い。


「どこかに秘密の抜け道があるんだよ!きっと!」


そう主張するひろきは、ベッドの下に頭を突っ込む。


「意外とこの部屋に隠れていて、おトキさんが下に降りて行った時に騒ぎに紛れて逃げていったのかも!」


てぃーだは現実的な路線で推理を組み立てる。



「何にしても、こりゃあ犯人は、相当頭の切れる奴に違いない!」


シチローは腕組みをしながら、まだ明かされぬ
犯人像をプロファイルしていた。


のっけから、超難解な
密室殺人トリックに松田と森永探偵事務所の面々は思考を巡らせる。




「う~~~~ん……
一体どうやって……」





と、その時だった。



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