チャリパイ12 ~資産家令嬢殺人事件~

「その『小島みどり』さんって大足のデカイ女性なの?」


子豚の質問に、岡崎夫人は首を横に振った。


「いえ…小柄な可愛い
女性よ」


岡崎夫人のその答えに、松田は残念そうに肩を落とす。


「しかし、あの靴跡はどうみても男物の靴だったしな…血文字の『ババ』とも全く関係が無い。
その女は『シロ』だよ」


「よし♪それじゃあ~
小島みどりさんの捜査はオイラに任せてよ♪」


小島みどりに全く興味を示さない松田とは正反対に、シチローは俄然張り切って捜査を申し出る。


そんなシチローを、
ひろきが意地悪くからかった。


「シチロー、それって
ただ単に女の子に近づきたいだけじゃないの?」


「いやあ~♪
それもあるかも♪」


「ったく…これだから
素人は困る。まあ、多分『シロ』だろうが勝手にやればいいさ…俺は他の来客者をあたるよ…」


松田は冷たくそう言い放つと、鑑識の連中を集めて帰り支度を始めた。


「今日はこの位にしておこう……岡崎さん、その招待客リストは預かって行きます。皆さんには、後日お話を伺いますとお伝え下さい」


気が付けば、もう深夜である。


そう簡単には解決しそうにないこの殺人事件の捜査は、明日に持ち越しとなった。


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