チャリパイ12
~資産家令嬢殺人事件~
「あ~あ、もうこんな時間だよ……」
時刻は午前二時を過ぎていた。
シチローの車でこのパーティーに来ていたチャリパイの面々は、おトキさんに代行運転業者を呼んでもらい、庭でその到着を待っていた。
と、その時!
ワン♪
「うわっ!」
シチローの背後から、
岡崎邸の番犬であろう
ドーベルマンが突然飛びかかって来たのだ。
「ぎゃああああ~~っ!」
驚きのあまり、腰を抜かして地面に尻餅を着いてしまったシチローの、その上から犬が覆い被さる。
「あははは♪
今のシチローの顔、見た~?」
「ここの家、庭にワンちゃんがいるんだね♪」
すっかり噛みつかれると思い込んで叫び声を上げるシチローの顔を、番犬は人なつっこくペロペロと舐めていた。
「うぇ~っ!なんだコイツ!やめろってコラッ!」
そんなシチローの姿を見て、てぃーだが笑いながら言った。
「もしかしたら、その
ワンちゃんが犯人見てるかもよ♪
名探偵さん♪
教えてもらえば♪」
まだまだ解決の糸口が見えないこの難事件…
28センチの靴跡は、いったい誰の物なのか?
小島みどりと事件の関連はあるのか?
そして『血文字』で書かれた『ババ』の意味しているものは…?
.