チャリパイ12 ~資産家令嬢殺人事件~

松田は、大学の正門が見える道路端に車を停めて、馬場よしこが現れるのを待った。


「ところで腹が減ったな……
シチロー、近くのコンビニで『あんパンと牛乳』買って来てくれ!」


張り込みには『あんパンと牛乳』と相場が決まっているらしい。


「自分で買ってくればいいだろ!何でオイラが
パシリしなきゃならないんだよ!」


「俺は馬場よしこを見張ってなければならないからな♪
一般市民が警察に協力しないと『公務執行妨害』でしょっぴくぞ♪」


「チェッ!職権乱用だろそれっ!」



先程から、松田にいいように利用されているだけのシチローは、ふてくされながら車から降り、コンビニの方へと歩いて行った。


一人車内に残った松田刑事は、煙草に火を点け
ゆっくりと煙を吐く。


「さぁ、真犯人のよしこちゃん~早く出て来てくださいな♪」


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