チャリパイ12
~資産家令嬢殺人事件~
岡崎邸に来たのは、馬場よしこと小島みどりだけではなかった。
庭に停まっていた白の
メルセデスCクラスから降りて来たのは、馬場よしこの父親であり馬場建設の社長である馬場芳郎と、経済評論家の羽葉康文の二人だ。
「あれ?お父様も『美佳をしのぶ会』にお呼ばれになったの?」
見覚えのある車から降りて来た父親に、馬場よしこが駆け寄り話しかけた。
「美佳ちゃんをしのぶ会?……いや、俺は刑事さんから『犯人がわかった』と連絡を受けてここに呼ばれただけだが……」
腑に落ちない顔でシチローの方を振り返る馬場よしこに、両手を合わせて“ゴメン”とジェスチャーを送るシチロー。
「いやあ~、嘘をついてごめんなさい!君達にはどうしても来て欲しかったものだから!」
「いや、シチロー君の言った事もまんざら嘘とも言えないさ。
やはり、真犯人を逮捕してこそ、殺された美佳さんも安心して成仏できるってもんだよ」
隣の松田が、そんなこじつけを言ってシチローのフォローにまわった。
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