チャリパイ12 ~資産家令嬢殺人事件~

「中は小さいが外側は
28センチのシークレットシューズ……本来はコントの小道具の為に作られたこの靴を、みどりさんは犯行に利用した。
現場にわざと28センチの靴跡を残し、その後、再び元の自分の靴に履き替えて庭に出る……その様子は、馬場社長と岡崎夫人が目撃していますよね♪」


「確かにあの夜、お庭でみどりさんを見かけましたわ……何かソワソワした様子だった印象だったのを覚えています」


岡崎夫人が、その時の様子を思い出しながら語った。



みどりがシークレットシューズを持っていたと知り、招待客の思いは再び小島みどり犯人説を信じ始めていた。


しかし、この説明にはひとつだけ不合理な事実がある。


松田刑事はその事に気が付き、シチローに言及した。



「それはおかしい!
ちょうど同じ位の時間に屋敷の外では、身長の高い女の姿が目撃されているんだ……しかし、岡崎夫人は小柄ないつも通りのみどりさんを目撃している……この矛盾はどう説明をつけるつもりだ!」


「その身長の高い女性って、馬場よしこさんだったんじゃないの?」


子豚が、馬場よしこの方を向いて尋ねると、馬場よしこはその可能性をあっさりと否定した。


「いえ……私がお屋敷の外へ出たのは、その時間よりずっと後のことです……」


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