チャリパイ12
~資産家令嬢殺人事件~
「あるトラブル?」
カムフラージュの為のシークレットシューズを、敢えて屋敷の外で履き替える意味がみどりにはあったのだろうか…?
そのトラブルとは一体……
「みどりさん。アナタあの夜、屋敷の庭で……
『犬のウンコ』踏みましたね!」
「ギク!」
小島みどりの肩がビクリと動いた。
「セレブのお嬢様ともなれば、犬のウンコの付いた靴はもう二度と履きませんってね♪」
シチローは、松田の方を笑って見ながら、大学で張り込みをしていた時の松田の言葉をそっくりそのままマネてみせた。
「犬のウンコの付いた靴に堪えられなかったみどりさんは、木の影に隠れて持っていたシークレットシューズに履き替え、自分の靴は庭に捨ててしまった!それが屋敷の外で目撃された長身の女の真相です!」
それを聞いた子豚が思い出したように呟いた。
「ジェロニモが持ってたあの靴、みどりさんの靴だったんだわ……」
およそ事件の手掛かりとは何ひとつ合わないと思っていた小島みどりだったが、これで全ての辻褄が合ったという訳だ。
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