チャリパイ12 ~資産家令嬢殺人事件~


☆☆☆


岡崎家のパーティーに招待されていた私は、あの夜、美佳の部屋で二人くつろいで話をしていた。


「はい、みどり。預かっていた靴返しておくわね♪
……ところでさぁ~
この間のあの話、考えておいてくれた?」


「あの話って……卒業したらプロの芸人になって、一緒にMー1王者を目指そうとかいう話?
……悪いけど美佳、私はプロの芸人なんて目指す気はサラサラ無いから!」


美佳がそんな事を言い始めたのは、先月位からの事だった。最初は冗談だと思っていたんだけど、どうやら美佳は本気らしい。


「ええぇぇ~っ!
そんな事言わないでよ!みどりのボケが無ければ『ハチハチ組』は成り立たないんだからっ!」


「あのね美佳……私は、シューズデザイナーになる為にあの大学に来てるの!
『ハチハチ組』はあくまでもお遊びなのよ」


「あたしだって最初はそうだったわよ!
だけど、勿体無いと思わない?あれだけ人気があれば、絶対プロでも通用すると思う訳。
Mー1からバラエティーのレギュラー。そしてあたし達は女優に転身して、アカデミーの主演女優賞に選ばれるのよ♪」


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