チャリパイ12 ~資産家令嬢殺人事件~


この地域のちょっとした観光名所でもあり、また自殺の名所でもある、この日本海に切り立った断崖絶壁の崖。


シチロー達がそこにたどり着いた時には、おトキは車から降り、その崖の先端に立ち尽くしていた。


「おトキさん、あんな所にいるよ……まさか、飛び降りたりしないだろうな……」


車から一斉に降りたシチロー達は、今にも崖から飛び降りそうなおトキの方へと駆け寄って行った。


「早まるんじゃな~い!おトキさん!」


「俺のアテンザ!無事で良かったぁ~!」


若干、一名程は優先順位が違うようだ。


まさか、こんな場所にまで追っ手が来るとは夢にも思わなかったおトキは、シチロー達の姿を見て大層驚いていた。


「あなた達!どうしてこの場所がっ!」


「ってか、おトキさんこそどうしてこんな場所にいるんだ!」


「私?…私はゆうべ車に付いてるTVで『〇曜サスペンス』を観て……」



やっぱり……


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