慟哭
「…なんだよ」
落ち着いてきた私は、この際なんでって思うこと全部、しんちゃんに聞いてみることにした。
「なんで車に拉致ったの?なんで泣いてるのがわかったの?男絡みってなんでわかるの?あっ、てかしんちゃんてば私のこと好きなの?さっきのあれは告ったってこと?」
自分でもびっくりするくらい、ザァーッと言葉が後から後から湧いてきて。
勢いに任せて立て続けに聞いてみた。
私の勢いに、しんちゃんは、まさに鳩が豆鉄砲喰らった状態で。
幼い頃を思い出すような、ぽかーんとあどけない顔をしている。
そして、ふっと息をはきながら、首を後ろに反らして髪をかきあげた。
「…っはは…」
そして、呆れたように笑う。
「なに、しんちゃんっなにがおかしいのー」
ここ笑うとこーっ?
実は、さすがのしんちゃんも今の質問には「ええっ?」とかいって焦るかと思ったのに…
むーっとふてくされて、そっぽを向いた私に。
「利香」
しんちゃんは運転席から乗り出して手を伸ばし、怒って窓のほうを向いてる私のアゴを…、
いやこれは…アゴなんてかわいいもんじゃないな。
しいて言うなら…エラ?かな。を下からがしっとわしづかみして、
「おれの彼女にならねえ?大事にするから」
爆弾を投下した。