adolescence
*1*



早朝五時_____


まだ空は夜の闇が溶け切れていない。

町には雨上がりのアスファルトの匂いが溢れている。



私、青木あみは日常に馴染んだ通学路を歩いていた。

(面倒臭いな…)

学校生活は心理戦の戦場だ。
(つまりいじめ…)
いつ火の粉が飛び散り巻き込まれるか分かったもんじゃない。

参戦した者は"加害者"または"被害者"という下らないレッテルを貼られるという事を何故解らないのだろうか。

どちらのレッテルを貼られても利益など何もない。
何が楽しいのだろうか。

かくいう私は"傍観者"なのだけど。

仕方がない結果だ。
参戦していないその他大勢は必然的に"傍観者"となるのがこの世の摂理なのだ。

まあ卑怯と言われようと何と言われようと賢く立ち回った者こそが実質的な勝者なのだから。
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