adolescence
なんて徒な思想を暇つぶしに膨らませながら登校していると___________
「あみーっ!!!!!!」
後方から聞き慣れた声がした。
彼女は浅倉蛍、隣のクラスの秀才である。
自分を特別な人間だと思いこんでいる列記とした中二病患者だ。
愚かに等しいが思いこんでいるあたり幸せな人生を歩んできたに違いない。
私達のようなちっぽけな存在は神から見たらその他大勢の脇役なのに。
「あみ、おはよっ」
蛍が私の顔を覗き込んだ。
「よっす!おはよお〜」
私はいつも通り寝ぼけ眼を演出した。
「おいおい、髪の毛ボサボサだぞ〜!あみ、またとかしてこなかっただろー?」
蛍は軽く呆れながらも私の髪を手ぐしでとかした。
蛍はお節介やきで(良く言えば面倒見がいい)何かと私の世話をやくのだ。
何だかんだで蛍からは好意を抱かれている。
本当の私を知ればきっと離れていくに違いない。
何故ならば、蛍が好んでいる人物は私ではなく"ドジでバカで天然な私"(社会に適応するために私が作り出した表面的な人格)なのだ。
つまり私の被っているペルソナ仮面の人物像に惹かれているだけであって、蛍が好んでいる人物は本当の私ではない。