恋色物語。
-ガラッ
と、勢い良く屋上の扉が開いた。
「・・・亜季」
そこには、息が上がっていて。
いつもキレイに整えている髪が、ちょっと乱れてて。
目には、涙が溜まっていて。
そんな亜季の姿が、目に映った。
「バカ・・・ッ」
と、走りよってきた亜季はギュッと私を抱きしめる。
「・・・亜季?」
「メール送ったのに!」
「さっき・・・見た」
「なんで返さなかったの?」
「さっき、気がついて・・・」
「バカ。。。」
「ゴメン・・・」
正直言って、亜季は「友情より恋」ってカンジの人かと思ってた。
自分の恋が上手く行けば、友情はどうでもよくなっちゃうのかと思ってた。
でも、今。目の前に居る亜季は、恋も大事だけど・・・
トモダチのコトも心配してくれて。
いつも、気にしている周りの目なんかも、関係なく走り回ったみたいで。
すごく・・・優しいヒトだった。
そして、モエの大切なヒトだった。