大好きな笑顔 ~オレと生徒~



その後もずっと
怜衣と楓は頑張っていた。

でも飛ばないらしい。

さりげなく見守る。


「かえで~ならない~」

「なるって!」

「無理だって。
さっきは先生がしたから
なったんだよ~」



そう聞こえた。


「何?
オレにしてって
言ってんの?」

突然言ってみた。
怜衣は驚いている。

「えっ、いや、あの…」

戸惑っているみたいだ。

「貸せ」


そう言うと再び
オレは怜衣から
ロケットを取った。


──その時

一瞬、手が触れた。


ほんの一瞬。


なぜかドキッとした。


怜衣を見ると
なぜか下を見ている。


気づいてないのか…



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