いつも隣には君がいた
眠いのか足がフラついている弥生に気づき、俺は弥生の前にしゃがんだ。


「着いたら起こしてやっから。」


前に1回、飛鳥と弥生を家まで送ったことがあった。

「いいよ。」

「いいから。」

「ありがとう。」


「重いでしょ。」

「いや。か・な・り重い。」

「うるさい。」



それから、弥生の吐息だけが聞こえてきた。なんだかそれが、無性に心地良かった。
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