いつも隣には君がいた
「えぇ、ズルい!なんで、春司だけ弥生ママに挨拶してんの!」


「だってお前すごく気持ち良そうに寝てたから、無理に起こしたらお前は逆にキレるだろ。」

「すいません。」



この頃からかな。俺たちがクラスで浮き始めたのは。いや、人気者の飛鳥といる弥生を妬む女子たちが俺たちを浮かせたと言った方がきっと正しいだろう。


「お前、最近調子乗りすぎだろ。」

「すいません。」


3年の先輩に呼び出されたと思ったら、いきなりこの一言。

「人の女に手出してんじゃねぇよ。」
まったく理解不能だった。

「お言葉ですけど、先輩の彼女知りません。」

次に目に入ったのは拳だった。面倒だったから、このまま殴られて済ましたかった。けど、止めに弥生が入ってきた。それを追いかけてきた飛鳥。

「やめてください。理由分かりませんが、殴るのだけはやめてください。お願いします。」

「うるさいな。」

俺を殴ろうとした奴の隣にいた男が弥生を押しのけた。


なんか、無性に頭がきて、俺の胸ぐらを掴んでいる奴の腹を思いっきり蹴飛ばして、倒れている弥生と息を整えている飛鳥の手を引っ張って走った。
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