love×ジャンキー
先輩が大きく息を吸うのと
同じタイミングで部員の息がそろう。
指揮棒を振り上げて演奏が始まった。
「すごい…上手い…」
そう、さっきも思ったように
全員が感情をこめて弾いてるような、
そんな演奏だ。
曲は有名なラブソング。
演奏が終わった。
「どうだった?琴音ちゃん!」
「凄かったです、尊敬します…」
確かに恋愛科なんて変な制度があるけど
吹奏楽部の力はすごい。
さすが全国大会優勝常連校。
「どうしたらそんなに上手く弾けるか不思議です…」
「何いってんのー?もー!」
先輩はあたしの腕をバシッと叩いた。
「琴音ちゃんの練習見てあげる。」
そう言われあたしは鞄からフルートを出した。