君らのおかげで
シロとクロ
「…ただいま」
重いドアを開ける。冷たい空気があたしの頬をなでる。誰の気配もしない家に、あたしの声だけが響く。
いつものことだ。
部活が終わった7時でも、うちの両親は揃わない。鞄を部屋に置いて着替えると、テーブルの上のメモを見て冷蔵庫を開ける。久しぶりに晩御飯を作ってくれたようだ。
あたしの存在にやっと気づいた犬のシロが、しっぽを振りながらあたしを見て首をかしげる。
「…エサか」
呟いてドッグフードを準備する。電子レンジに晩御飯を入れて温める。出来上がり。テレビをつけてひたすらうるさいお笑い番組に苛立つ。食器を洗い、風呂を炊く。シロが騒ぎ出す。
「…今度は散歩か」
重いドアを開ける。冷たい空気があたしの頬をなでる。誰の気配もしない家に、あたしの声だけが響く。
いつものことだ。
部活が終わった7時でも、うちの両親は揃わない。鞄を部屋に置いて着替えると、テーブルの上のメモを見て冷蔵庫を開ける。久しぶりに晩御飯を作ってくれたようだ。
あたしの存在にやっと気づいた犬のシロが、しっぽを振りながらあたしを見て首をかしげる。
「…エサか」
呟いてドッグフードを準備する。電子レンジに晩御飯を入れて温める。出来上がり。テレビをつけてひたすらうるさいお笑い番組に苛立つ。食器を洗い、風呂を炊く。シロが騒ぎ出す。
「…今度は散歩か」