僕等の怪談(1)
「万里花、万里花、私はお前を学校で亡くしてから学校を怨んだんだ。どうすればいいか分からなかった。」
「あれは事故だったの。階段で友達とふざけていて足を踏み外したんだもん。誰のせいでもない。」
万里花さんは光る涙を流し続けながら、触れられない手でお父さんの肩に触れた。
「お父さん、万里花はずっと幸せだったから、お父さんの娘に生まれて、いっぱい可愛がってもらって。だからもう悲しまないで。」
万里花さんのお父さんは泣きながら何度も何度もうなずいた
「お父さん大好き。」
万里花さんは、ふわっと宙に浮かんだ。
そして全身が、ぽうっと内から光りだして、次の瞬間まぶしい光りに包まれて、そして消えた。
「万里花さん?」
僕達は驚いて目を見開いて、その場に立ち尽くした。
「万里花~うっうっあっうっ」
しばらくその場に泣き崩れていたお父さんは、
「すまなかった。」
と誰にともなくつぶやいて、ふらふらとおぼつか無い足取りでトイレを出て行った
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