僕等の怪談(1)
「まあ陰陽道とお経は置いといて、まずは成仏出来ない理由を聞いてやればいいんじゃん。」
そう言って遠藤はポテトを口に運んだ。
「そっか。成仏出来ない理由があれば取り除けばいいのか。」
僕はその時、暗闇の中で光りを見つけたように感じた。
「でも教師に仕返ししたいって言われたら?その教師を殺したいって言われたら?」
淳がそんなに単純じゃないと肩をすくめた。
「そんなっ」
暗闇で見つけた光りは直ぐに蹴散らされてしまった。
僕は今にも震えて声がもれそうな口を両手で押さえた。
当たり前なのかもしれないけど、考えたくなかった。
殺してしまいたい程の怨み。
四つん這いでうごめく姿も、べったりと絡み付く髪に能面のような青白い顔も、人間としての生気が感じられなかった。
あれが怨みによる変貌なのだろうか。
それらを目の前にした時の恐怖をまざまざと思い出した。
冷たい汗が背中をつたう。
「どうした?」
遠藤が心配そうに僕の顔を覗き込んだ。
僕はいつの間にか震えそうになる両腕を抱えていた。
「ううん。何でもない。」
大丈夫かな?
そんな恨みを持った霊を僕達だけでどうにか出来るの?
やっぱり止めとこうよ。
口に出てしまいそうになる臆病な僕を僕は飲み込んだ。
「じゃあ、行くか。」
淳と遠藤がほとんど同時に僕の肩に手を置いて力を込める。
あっ、2人の手がちょっとだけ震えてる。
僕が震えてるのもバレてたかな?
「うん。」
僕達は立ち上がって店を出た。
外は薄暗く街行く人の足どりも我が家を求めてか足早に感じられる。
逆に僕達がこれから向かうのは暗闇で、どうしても足どりは重くなっていた。
そう言って遠藤はポテトを口に運んだ。
「そっか。成仏出来ない理由があれば取り除けばいいのか。」
僕はその時、暗闇の中で光りを見つけたように感じた。
「でも教師に仕返ししたいって言われたら?その教師を殺したいって言われたら?」
淳がそんなに単純じゃないと肩をすくめた。
「そんなっ」
暗闇で見つけた光りは直ぐに蹴散らされてしまった。
僕は今にも震えて声がもれそうな口を両手で押さえた。
当たり前なのかもしれないけど、考えたくなかった。
殺してしまいたい程の怨み。
四つん這いでうごめく姿も、べったりと絡み付く髪に能面のような青白い顔も、人間としての生気が感じられなかった。
あれが怨みによる変貌なのだろうか。
それらを目の前にした時の恐怖をまざまざと思い出した。
冷たい汗が背中をつたう。
「どうした?」
遠藤が心配そうに僕の顔を覗き込んだ。
僕はいつの間にか震えそうになる両腕を抱えていた。
「ううん。何でもない。」
大丈夫かな?
そんな恨みを持った霊を僕達だけでどうにか出来るの?
やっぱり止めとこうよ。
口に出てしまいそうになる臆病な僕を僕は飲み込んだ。
「じゃあ、行くか。」
淳と遠藤がほとんど同時に僕の肩に手を置いて力を込める。
あっ、2人の手がちょっとだけ震えてる。
僕が震えてるのもバレてたかな?
「うん。」
僕達は立ち上がって店を出た。
外は薄暗く街行く人の足どりも我が家を求めてか足早に感じられる。
逆に僕達がこれから向かうのは暗闇で、どうしても足どりは重くなっていた。