誓い
そして、圭吾の頭を
力強く撫でると、
「なぁに、心配するな。
この俺が主治医に
なったんだから、
安心しろ。」と、言った。

「えっ?」

「今日から
この病院の副院長だ。喜べ。」

よく見ると、
クマ先生は白衣姿で、
聴診器をぶら下げている。

「クマ先生が主治医かぁ。
何か安心かも。慣れてるし。
でも先生って元々
小児科じゃなかったっけ?
いつ変わったの?」

「四年前だな。
一度異動になっただろう。
その時、転科したんだ。」

「ふぅん…
じゃあもう子供は診ないんだ?」

「あぁ、
臨時で仕方ない時は
あるかもしれんがな。」

「へぇ。」

クマ先生はパイプ椅子を広げ、
その上にどかっと座った。
< 10 / 125 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop