誓い
千依が泣き止んだ後、
圭吾は言った。

「僕は生きるよ。
前は結婚出来たら
それで満足みたいな
所あったけど…
今はもっと生きたい。
そんで、千依をもっと
幸せにしてあげたい。」

「圭ちゃん、私今でも
十分幸せだよ。」

「いや、自分の中では
まだまだなんだ。
こんな風に千依を
不安にさせてるようじゃ、
まだまだだなって。」

「でもしょうがないよ。
人間は誰だって
不安になる生き物だし、
絶対的な安心なんて
あり得ないよ。」

「…そうだね。」

大好きな人を
悲しませる事はもうしたくない。

その為には絶対に
生き続けなければいけないのに。

理想と現実とのギャップに、
彼はショックを受けていた。

生きたいのに生きれない。

諦めた訳ではないのに、
ひどく悲しかった。
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