誓い
片っ端から洋服屋に入って
聞き込みをしたけれど
見つからなくて、
圭吾は少し落ち込んでいた。

ふと、顔をあげたその時、
人混みの中に、彼女らしき
後ろ姿を見つけ、
圭吾は思わず走り出していた。

(今ここで見失ったら、
僕は一生後悔する。
ならば、倒れること覚悟で
彼女を引き留めなければ。)

そんな思いで
彼女の手を後ろから掴んだ。

「きゃっ!」

小さな悲鳴をあげて、
振り返る彼女は、
やはり千依だった。

「やっと…見つけた。千依。」

「圭ちゃん!」

(良かった、僕の事を
覚えてくれていた。)

圭吾は、安心感から
その場に座り込んでしまった。
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