誓い
2人は自宅に着いた。

自宅は、一階が喫茶店で、
二階と三階が住居スペース。

この家で喫茶店をやる前は、
ごく普通の家に住んでいた。

なのに十年前、
いきなり父親が
仕事を辞めて引っ越し、
今の家に来た。

店舗付き三階建ての広い家だ。

尤も、双子はその時の事を
はっきり覚えている
訳ではないが、
開店の日に知らない人が
どんどん入って行くので、
怖くて千依や貴哉たちと
遠くで遊んでいた事だけは
覚えていた。

あれから、十年。

店は何度も危機を迎え、
圭吾が病気になったり、
双子の反抗期で
手を焼いたりしたけれど、
その度父親は
乗り越えてきた強い人なのだ。

見舞いには滅多に
来ない人だけれど、
圭吾の為に働いて、
入院費や治療費を
稼いでくれている。

圭吾は改めて父親に感謝をした。
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