誓い
圭吾の車椅子を押すのを、
翔吾が代わったのは、
千依も昔の友達と
触れ合いたいだろうと
気を利かせたからだ。

圭吾は昔から翔吾や貴哉
以外の人物とは
あまり関わらなかったけれど、
1人だけ懐かしい人物を
見つけて嬉しくなった。

「おぉ、あれトモヤじゃん。」

最初に気づいたのは貴哉だった。

「マジで!?懐かしいな、
声掛けてこよ〜。」

翔吾がそう言って、
トモヤを呼びに行った。

野上 智哉。

中学時代、まだ圭吾が
病気になる前に
仲良くしていた奴だ。

「久しぶり、トモヤ。元気?」

「え、圭吾?貴哉も。」

トモヤは驚いて、
それから懐かしい、
と言って笑った。

今は美容師の専門学校に
通う学生なのだそうだ。

トモヤは圭吾が
病気になった事は知らない。

だから車椅子に乗っている
圭吾を見て、驚いていた。

説明する時間もないので、
トモヤとメルアドを交換し、
メールで説明する事にした。
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