誓い
圭吾はふと思った。

「…ちょっと待って?
お母さんは、僕の病気を
知ってて言ってるの?」

「えっと、
言ったには言ったのよ?
ただ、一度会ってじっくり
話したいって言ってる。」

「僕の口からちゃんと
説明を聞きたいのかな?
それなら僕は進んで行くけど。」

「たぶん…自分の目で
相手を確かめたいんだと思う。
私達、挨拶もまだだし。」

「そりゃそうだ。
結婚の挨拶くらいは
ちゃんと行かなきゃ
とは思ってたし。」

「いずれにせよ、
圭ちゃんが退院しなきゃ
無理そうだね。」

「頑張って退院
出来るようにするよ。」

とはいえ、やはり
今度の風邪で体は
かなり弱っている。

今の状態で退院出来るかは
解らないし、
この体で再び双葉へ行く事は、
自殺行為に近い。

だけど千依との約束が
守れないのはもっと嫌だった。
結婚はしたい。
その為には双葉へ行かなければ。
憂鬱だった。
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