誓い

結婚の意思を父親と
翔吾には伝えていなかったので、
2人が病室に来た時に
思いきって言ってみた。

それと、今の悩みも。

結婚については2人とも賛成で、
祝福してくれたけれど、
双葉に行く事には
やはり難色を示した。

当たり前だ。

一度双葉に行って倒れているし、
父親も翔吾も不安なのだろう。

「今、千依が説得に
当たっているらしいんだけど、
それまで待てるか
どうか解らない。
怖いんだ。
このまま千依と結婚
できなかったらって、
嫌な想像ばっかしちゃう
自分が嫌だ。」

「そっか。
…でもな、前向きに考えよう。
きっと良い答えが見つかるよ。
千依ちゃんを信じて、
今は待つ事。
体調を整えて
退院出来るようにする事。
今君がしなきゃ
ならないのはこの2つだよ。」

父親はにっこり笑って、
圭吾の頭を撫でてくれた。

(やっぱり父さんは優しい。
不安も吹っ飛びそうな
気がする。)

そう思った。