幼なじみ 【短編】
お化けも予想外だったみたいで、すごすごと帰って行った。


「ごめんな。あんな事言って」


なんて言うの。


謝らなでよ。


意外と嬉しかったんだからさ。



私が首を横に振ると、



「僕が愛ちゃんを守る……でしょ?」



って。


優……覚えてたんだ。


それが嬉しくて、ポロポロと涙がこぼれ落ちてきた。


私が何で泣いているか分からずにオロオロする優は、私を優しく抱きしめてくれた。


お化け屋敷の中なのに、そんな事すっかり忘れてしまっていた。


「ごめんな、怖かっただろ」


そう言った優は、私の涙を拭うとしっかりと手を握り締めてくれた。


「離すなよ」


そう言った優は、少し照れていた気がする。
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