幼なじみ 【短編】
「お前はそれで良いの?」


優、何言ってるの??


私が優に視線を移すと、優はゆっくり窓から私に視線を移した。



視線が絡み合う。


優はさっきと同じく、男の顔をしていた。


「私は……」


私はこの関係で居たいよ。


優の事好きだし……


でも、一生そんな関係は無理でしょ?



私は優……いやゆーたんとの思い出が有れば大丈夫だよ。



私が口を開きかけた時に、観覧車は地上に着いてしまった。

ことごとくタイミングが悪い観覧車。


係員さんが、手際良くドアを開けてくれた。

優が先に出て、私に手を差し出してくれる。


今日位は良いよね?



私は迷わず優の手を握った。


さっきは緊張して気づかなかったけど、ゴツゴツして大きい手にまたしてもドキドキしちゃった。


優が男の人なんだって意識する瞬間だよ。
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