幼なじみ 【短編】
繋いでいた手を離して、優はソフトクリームを買いに行った。

もしかしたら、もう繋げ無いかもって思った私の右手は少し寂しげだった。

今までの温もりを忘れないように、ギュッとグーに握り締めた。


優は少ししてからソフトクリームを2つ持って戻って来た。


「はい」


私に1つ渡すと、並んで歩き出した。


どこに行くんだろう?


私がボーっと考えながら横を歩いていると


「……愛璃?聞いてた?」


ってもしかして、また聞いてなかった?!


「はひっ?」


なんて間抜けな答えをしながら優を見た。


恥ずかしい!!


その時、横を見ていたせいか大きめな石に気づかずに、思いっきり躓いてしまった。



体は大きく前のめりになる。



ヤバい、コケる!!



その時、ふわっと体が浮いた。



――――ベチャ



無情にもソフトクリームは地面に落ちてしまっていた。



―――えっ?!




私……



どうなってるの?


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