幼なじみ 【短編】
「着いたぁ~~」

優がいきなりしゃべるからびっくりしちゃった。

周りを見ると、遊園地の中にある噴水の有る休憩スペース。


昔はここの噴水に入って行ってよく遊んだよね。

今は綺麗に整備されて、ライトアップまでされてるの。


「変わったね、ここ。すごいキレイになってるし」


「ああ、もう12年位経ってるんだもんな」


昔の思い出が鮮明に蘇ってくる。

私は優に連れられて、近くのベンチに腰掛けた。


「優ったらさ、いつもいじめられてる私を助けてくれたよね」


「愛璃がどんくさいから、みてらんなかったの」


昔から優は優しかったんだよね。


どこに行っても、私がいじめられてるとすぐに飛んできてくれたんだ。


それが、子供心にすごく心強かったんだから。



「どこにいても来てくれるから、あの時は優が愛璃の王子様だったんだから」




「……今は?愛璃の王子様じゃないの?」


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