幼なじみ 【短編】
「は…初耳だよ」


私はなるべく平常心を保ちながら優に聞いてみた。


「だって愛璃に言って無いもん」


平気な顔して話す優。


私バカみたい。


「えっ、だれだれ?」


私は緊張を悟られないように、優の顔を覗き込んで聞いてみた。


「教えない!!」


真っ赤になった優は、私から視線を逸らした。


仕方なく体勢を戻した私は、落ち着いたふりをして優に聞く。



「告白…しないの?」



クレープを食べようとした優は、食べるのを止めて私の方を向くと



「……して欲しいの?」



なっ……なにそれ!!!

私が決める事じゃ無いじゃん!!


「そ…そんなの……自分で決めてよ!!」


もし…もしも優が告白したら、多分この関係では居られなくなっちゃう。


でも、私が決める事じゃない。



いつかこんな日が来るって、覚悟はしてたんだ。



でも、予想以上に不意打ちで予想以上にダメージを受けてるみたい。



完全にブルー。



最悪。



聞かなきゃ良かった。

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