隣の彼はイケメン兄弟?!
隆志はというと、足を止めない。


「隆志?戻らなくていいの?」

隆志は、何も言わなかった。


「ねぇ、隆志!」

私は隆志の腕を掴む。



「どうせ、あいつらは俺達がいなくたって分かりはしない。行くぞ!」



そう言って、連れて来られた場所。

それは、中庭だった。


街灯も無いのに月明かりで周りがうっすら見える。

こんなに月の明るさを感じたのは初めてだ。


「座れ。」


私は言われたままベンチに座る。

目の前には月の明かりで照らされた隆志の姿。

そして、見上げた先には・・・見たこともない満天の星。

そっか、ここは結構大阪からも離れている山の中だったものね。


「花音?」


隆志は私の目線に近づくように、しゃがみこんだ。


「ん?」



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