隣の彼はイケメン兄弟?!
子ども扱いされているような・・・でも、この落ち着く大きな手。


「じゃあ、あがって待ってて?」

私は、キッチンへと戻ろうとした。


「花音?」

「ん?」

「エプロン可愛いよ。」


今日の隆志は何だか優しくて甘い。

そして、今日の私はその言葉を素直に受け取る。


「ありがとう!」


私は、出来上がったものを急いでテーブルへと運ぶ。

もちろん、ワインもテーブルの上へと置いた。


「待ってね、ワイングラスも持ってくる!」

「何だか、パーティみたいだな。」

「うふふ♪たまにはいいんじゃない?」


私はこの時、無理矢理自分をハイテンションに持っていこうとしていた。

何もかも考えないで、楽しもうと。

たぶん、隆志はそれを分かっていて、私に付き合ってくれている。


それでも、今日は隆志に甘えたい。

わがままだと言われるかもしれない。


けれど、今日も1人でいたくはなかったのだった。




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