隣の彼はイケメン兄弟?!
隆志は何も言わず叩かれてくれていた。

私が、叩くのを止めると、隆志は私の両手を握ってくれた。


そして、私の目から頬にかけて、涙を拭うようにキスをする。


「キス・・・口にはしてくれないの?」


隆志は何かを考えているようだった。


「花音?一体何があったんだ?」

「えっ・・・?」

「もしかして、涼太の何かあったのか?」


何で?何で隆志には私の思ってる事が全て分かっちゃうのか?


「何もないっ!涼太なんて大嫌いっ!あんなやつ、もう大嫌いなんだから。」

「花音?」

「何よ!」

「俺で良かったら話してごらん?」


隆志は私の頭を撫でながら、優しい目で私を見つめた。

あぁ、昔もこんな事があった気がする。

リョウ喧嘩したりすると、いつもたか兄ちゃんが私をなだめてくれていた。

頭をいつもいいこいいこしてくれた・・・。


「たか兄ちゃん・・・。」


私は、昨日の事を全て言おうと思った。

隆志に言うのは間違っている。

分かっているけれど、誰かに聞いてもらいたかった。




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