隣の彼はイケメン兄弟?!
「俺、帰るな。一緒にいてあげたいけど、今の俺じゃ無理だ。ごめん。」



私もショックを受けたが、隆志も大きなダメージを受けたに違いない。

私は自分でそんなにいい女だとは思わないが、そんな私を“本気”と言ってくれた隆志。

そんな隆志に、ここにいてくれと言える筋合いは無い。



「悩むくらいなら聞くから。」

「うん・・・。」

「花音に振られるのは2度目か・・・。」

「えっ?」

「なんでもない。じゃあな、片付けしなくてごめん。」



そう言って隆志は部屋を出て行った。

ガチャン・・・。

私はまた1人になった。


隆志を好きになれば良かった。

リョウなんか、私の事遊びだったかも知れないのに。

何であんなリョウが気になるんだろう。


隆志はよく“運命”という言葉を口にしていた。

出会えた事は運命でも、好きになるのは違ったのかな。



そして、私は次の日も会社を休んだ。

隆志は次の日、私に顔を見せる事は無かった。




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