隣の彼はイケメン兄弟?!
電車を降りると、さすがに隆志は手を繋がなかった。


「ねぇ・・・じゃなくて、あの、山下さん。」


急に会社モードに切り替えようとする私に隆志は笑う。


「ふふっ、何ですか?木下さん。」

「私、リョウも好きなんですよ?それでも、良いんですか?」


隆志はその言葉にはためらう事もせずこう言った。


「リョウ“も”って事は、少なからず俺の事も好きなんだろう?

なら、問題ない。俺は絶対、花音を俺だけに振り向かせて見せるから。」


「何でそんなにいつも自身満々なの?」

「それは・・・。」

「それは?」

「花音を愛してるから。」



隆志はそう耳元で囁くと、私をおいて会社の中へさっさと行ってしまった。

愛してるなんて耳元で囁かれたら、誰だってドキッってしちゃうじゃない!

私も急いで会社に向って走る。

そして、私もぎりぎり始業時間に間に合ったのだった。




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