引き金引いてサヨウナラ
美菜たちはまだ、この戦争がもたらす影響に、実感が湧いていなかった。
否。食料が不足するかもしれないだとか、生活に関することになら、漠然とした不安はあった。
ミサイルが着弾したのも不意打ちだったからで、対応策はあるという政府の言葉を信用したいと思っていた。
かつて技術大国と言われた日本だ。
最先端ではなくとも、迎撃の技術はあるに違いないと、信頼していた。
実感していなかったのは、戦うのはいつの時代も人なのだということ。
これは映画やドラマではなく、現実だということ。
そして血を流し、傷付くのは、国民だということだった。