引き金引いてサヨウナラ
第四章
翌日から、至る所で『戦争反対』や『隊員募集』の、看板やビラが目につくようになった。
正反対の主張が隣合わせになっていたり、上書きされていたりして、荒んだ雰囲気を醸し出している。
ニュースによれば、戦火は少しずつ拡大しているようだった。
だが今のところ、爆弾が飛んできたとか爆撃機が飛行していたという話もなく、時たま偵察機が飛んでいたという報道がされるくらい。
危惧していた、隊員の大規模な派遣もなく、時々、海上や航空機による偵察をしたなどときくだけ。
広がっているらしい戦火とは、どこに存在しているのだろう。戦争なんて本当はウソなんじゃないかというくらい、呆気なく毎日が過ぎ去っていた。