引き金引いてサヨウナラ
部屋から着替えとケータイを持って脱衣場へ。
服と一緒に、面倒なことも脱ぎ捨てられたらいいのに――
新しい身ひとつになって、どこか都会へ行きたい。
服の纏いをといたことで、焦りが削げ落ち、心も軽くなればいいのだけれど。
洗面台の鏡に映る自分の体型では、そうもいかずに現実へと引き戻される。
ヘルスメーターに足をのせ、そっと体重を見た。
「もう少し、体重落としたいなぁ……」
ぶつぶつと愚痴りながら、美菜はお風呂場の扉を開けた。