引き金引いてサヨウナラ


叶は困ったような、驚いたような複雑な顔をして、美菜の体を離した。


「美菜……」


「ごめんね、叶。
でもつらくなると分かっていても、私には『秘密』に出来ないよ。
だって……」


「美菜!」


精一杯気持ちを伝えようと急いだ美菜の言葉を、叶はたった一言でいさめた。


「君の気持ちには応えられないから」


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