引き金引いてサヨウナラ


教官たちはそんな彼らを一瞥し、うち一人の教官が凛と良く通る声で言った。


「三日後の土曜日から、共同生活が始まる。
今日割り振ったものと相部屋だ。

その日からは、炊事洗濯も交代制になる。
今日のようにへばってる暇はないと思え」


それだけ告げると、候補生たちをしり目にさっさと体育館から出て行ってしまった。


起き上がって話を聞け、と叱責されなかったのは、まだ初日だからか。


三日後からは、こうは行くまい。


「きつー……」


誰ということもなく、そんな声があがる。


一人の言葉に、あちこちから同意の声が上がった。


弘と叶は顔を見合わせ、力無く笑った。


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