引き金引いてサヨウナラ
すぐ近くでは、叶たちと同じグループに分けられた2人が、息を整えていた。
弘はその2人の方向へ億劫そうに顔を向け、名を尋ねる。
「お前ら、名前は?」
二人ともがっしりとした体躯に角刈りで、一見強面(コワモテ)な顔。だが、弘に臆した様子はない。
突然声を掛けられた相手は、弘と叶へ視線をうつす。
うち一人が、ややぁっと口を開いた。
「俺は立川 仁、こいつは富田 和也」
「仁に和也ね。俺は芝 弘」
「英 叶、宜しく」
挨拶を交わすと、仁は人目をはばかるように声を落とした。
「お前ら知ってるか?」