引き金引いてサヨウナラ
仁はのそりと体を起こした。
それにつられたかのように、弘も叶も、慣れない運動で引きつる体を庇いながら起き上がり、無言で続きを促す。
「俺らは、ヤマト重工で開発した、無人機改良型に乗るらしいぞ」
その言葉に、叶が眉をひそめた。
候補生が無人機に乗るだなんて、初耳だ。
「無人なのに、人が乗るの?」
仁はじっと叶を見て、大きく頷いた。
「無人機といっても操縦に人がいらないだけで、爆弾落としたり機関銃を撃ったりするのは、人の手でやらないと。
操縦の訓練が必要ないから、俺らみたいなド素人を集められるんだ」
あとは飛行機のGやフライトに慣れることと、爆弾のタイミングやなんやを覚えるだけって話だ、と仁は苦々しく言った。