引き金引いてサヨウナラ
「どういうところを案内すればいいの?」
遅刻した罰として購入したジュースを叶に渡しながら、美菜はそう尋ねた。
「う~ん。買い物が出来る場所かな」
本屋、文具屋、CDショップ……
指折りながら次々とあげ連ねられていくのを、美菜は呆気にとられて見ていた。
まだ続きそうな気配に、しばらくぽかんとしていたが、ふっと気付いて慌てて言葉を挟む。
「ちょ、ちょっとストップ」
きょとんとした顔で、叶の動きが止まる。
美菜はゆっくりと息を吐き出しながら言った。
「この辺りにはないの。隣町まで行かないと」
美菜の言葉に、叶が大きく目を見開いた。