引き金引いてサヨウナラのレビュー一覧
昨今、恋愛を中心とした携帯小説の氾濫は多彩さを極め、最早“小説”の範疇には収まり切らなくなっている。 形式を崇拝するのが果たして文学に貢献するのかは解らないが、けして見慣れぬ斬新さだけが優れたものでもあるまい。 だが本作品は、従来のメタフィクションともシュルレアリスムとも受け取れる作風の中で、しかし、新しい試みが溢れていて読む者を惹き付ける。ひとりの少女の心理的な変化が、実は試験的なこの作品を巧く纏めている。 生活、恋愛、戦争、死。そこに答えなんかない? しかし、それが何だ。日常、非日常の峻別は難しくとも、主人公、美菜の心を通して、読者は巷間の通念に矛盾を感じてほしい。この機会を逃せば、あなたに明日はないのかもしれないのだから。 久し振りに細かい手直しを要求したくなりました。それほどに素晴らしい。と言いますか、縦書きで読みたいですね。
毎日退屈で、刺激が欲しいと思っていた。 そんな彼女、美菜の前に現れた叶。 彼は少しずつ、けど確実に美菜の世界に色を染めていった。 当たり前のような、毎日がずっと続くと思っていた。 “ずっと”だなんて、どこに確証があったのだろうか? 一気に変わる、目の前の世界。 守りたいものを守る為に下す決断。 それが正しいのか正しくないのかなんて、誰にもわからない。正解なんてない。 今、自分にできる事をしよう。大切な人がいるこの世界で、“今”しかできないのだから。 『今この瞬間引き金を、引け』 当たり前のように過ぎ去っていく日々の大切さを改めて痛感しました。 日々の中に、大切なモノが沢山隠れているのだと―― それに気付いた時、引き金を引いてサヨナラをしよう。 ぜひ一読を! 衝撃を受ける事間違いなし。 考えさせられる深い作品です!
退屈で平凡な日常 悩みはあっても楽しみはない億劫な毎日 見えない未来の姿 この世界から抜け出せば、何かが変わると思っていた だけどきっと本当の煌めきは、 そんな日常の中に埋もれているのかもしれない─── 少年少女がぶつかる、迷いや葛藤や決意。 ありえない非日常を舞台に、だけど何よりもリアルに描かれるそれは、読み手の心にも直球でぶつかってきます。 悩んで、迷って。 いつか笑うために、泣きながら、決意して。 毎日を変えるための、自分を変えるための、引き金はいつも、自分の手の中に。 様々な想いが込められた素敵な作品。 願わくば、彼らの未来が綺麗な愛すべき日常でありますように。 ぜひご一読を。
退屈な田舎町。高校を卒業したらすぐに出ていくんだ。 そう思っていた美菜。彼女の退屈な生活は、ある日を境にがらりと変わることになる。 一発のミサイルで。 平和な生活は、なんて貴重なものなのだろう。 心情描写が非常に巧みで、思わずひきこまれていきます。 戦場に出ていく友人。 残された彼女たち。 それぞれが自分で考え、決断した結果を見てください。 きっと胸にせまるものがあるはずです。 戦場の描写は、控えめなので安心して読むことができます。
退屈な毎日が 唐突に変化する 考え方はそれぞれ 正しいか正しくないか 行きたいから行くの? いずれ行かなくてはならないから行くの? サラリと、すんなりと 心に染み込む言葉の ずしりと重いテーマに 考えさせられる そんな作品 ぜひ皆さんに読んで自分なりの答えを見つけていただきたい。
とことんまでの醜さやグロさは省き、伝えたい事だけをサラッと描かれたような感じでございました。 若い方々へのメッセージとして、とても読みやすいかと感じます。 ただ、タイトルの“引き金”に惹かれて本格的な銃撃戦描写や軍事系小説を狙って読み始めると、少々肩透かしを食らったような気になるのも有り。 なので逆に、そういう小説が苦手な方々にお薦めしたいと思います。 悪い予感が的中しそうな時や不安定になっていく状況等の引き込み方は、とても素敵です。 是非どうぞ、行ってらっしゃいませ。
人間には感情がある。 だから決断に迷うし自分が解らなくなる。 人生の分岐点は年齢ではなくタイミング…。 まだ高校生…でも時間は待ってくれないし、いつかは自分と向き合って決断をしないといけない時が来る。 もう読んだ方も今から読む方もこの作品を読んで考えてみて下さい…。 あなたが彼等と同じ立場になった時… あなたならどうしますか?? 少しでも気になった方は読んでみて下さい。 期待は裏切らないですよ。
あり得ない話ではない。 この作品に描かれていることが、いつ起こってもおかしくはない。 こういう作品に触れることで、この国が、自分たちの生活がどれだけ平和なのか思い知ります。 この作品はフィクションですが、私たちの身にもいつか起こるかもしれない事態に、高校生である登場人物たちはどう向かい合っていくのか。 そして、自分自身とどう向かい合うのか。 十代の心の成長を描いた作品です。
つまらない町 田舎で、平凡な毎日 こんな場所を抜け出して 都会に行きたい そしたら、何かが変わると信じていた そんな毎日の中、必ずある輝かしい宝物 それに気付くのは難しい… 15歳の少年少女に突き付けられる、毎日が壊された、現実 その中で、悩み、決意し、そしてまた悩む姿に、答えのない問題に、一緒に悩みました つまらない毎日に 引き金引いて、サヨウナラ そして 新しい自分に、ハジメマシテ 少女たち、少年たちの 新しいこれからの日々が 素敵な、かけがえのないものでありますように―― 素敵な作品、是非読んでいただきたいです
退屈な日常 違った煌めく何かが欲しくて 身近なものには目が向かない そこに降り注がれたひとつの星 そして煌めく日常 なのに現実は厳しくて まだまだ先の長い人生を持ちつつ 数多のことを考えなきゃいけないことになる 身に降り懸からなければわからない現実がある テレビやネットの世界でその情報を手に入れ知った気になっている でもよく考えて 自分の大切な人が巻き込まれたら そこまできたら きっと退屈な日常の大切さに気づくはず 様々な想いとメッセージが詰め込まれた物語 ぜひ、10代に読んでもらいたい
人は人によって生かされている。 守りたいもののために懸命に生き抜く。 与えられた生を必死で全うする。 そんな当たり前でなかなか出来ない事、 そんな当たり前なのに忘れがちになってしまう事、 がしっかりと盛り込まれています。 こんな時代だからこそお薦めします。
今、すぐそばにあるものを そこに揺るぎなくある真実を まっすぐ見つめ 肌で感じることのできる作品です。 今を生きるということ そして、生きていくということ。 迷いも、葛藤も 捨ててしまいたくなるものも それらが本当は一番たいせつなんだと そう思えました。 誰でも“今”を変えるキッカケは、その銃鉄は 手の中にあるはず。 ただただ深く自分に問い掛ける 愛とリアルを感じることのできる作品です。 ぜひ、ご一読。